昨日、沖縄で反基地運動に参加しているラッパー 大袈裟太郎さんの口座凍結問題で、水道橋にある弁護士 宇都宮健児さんの事務所を訪問しました。宇都宮さんはゆうちょ銀行の担当者と、その場で電話にてお話しくださり、また今後のご協力もお約束いただきました。
大袈裟太郎さんの口座凍結問題とは?
大袈裟太郎さんのゆうちょ銀行の口座が、5月31日から6月7日までの8日間にわたって凍結され、入出金ができなくなりました。これは非常に問題であり、このまま泣き寝入りしてしまっては絶対にいけないと考えます。
理由は次の通りです。
理由1 大袈裟さんの口座は凍結の理由にまったく当てはまらない
大袈裟さんの口座が凍結された理由は、「法令や公序良俗に反する行為に利用され又はそのおそれがあると認められる場合」であると判断されたからです。具体的には、ヤミ金や振り込め詐欺に利用されていると判断したと、ゆうちょ銀行の担当者から説明がありました。
でも大袈裟さんの口座の入出金は、カンパとして1,000円~3,000円の入金が1ヶ月に10数回あり、2万円を2回にわたって引き出すという程度。
通常、詐欺口座の入出金は、たとえば振り込み詐欺ならば、最低でも数十万円の入金が頻繁にあり、それを入金後すぐにひき出すというものですので、大袈裟さんの入出金の状況は、詐欺口座からはほど遠いと考えなくてはなりません。
大袈裟さんの銀行口座が「詐欺口座」と認定される理由が、まずないはずです。
理由2 大袈裟さんの口座が狙い撃ちされた理由がわからない
また大袈裟さんと同様に、ゆうちょ銀行の口座をカンパの受け付け先としている人は、ほかにもたくさんいます。その人たちの多くは、大袈裟さんより多額のカンパを集めているはず。
にもかかわらず、その人たちが凍結されず、額が小さい大袈裟さんの口座が凍結されたのは、「狙い撃ちされた」としか考えられず、理由がまったくわかりません。
理由3 事前の確認もなく生活口座をいきなり凍結した
大袈裟さんの銀行口座が詐欺口座であるかどうかは、名義人本人に一本電話をして確認すればすむはずです。実際、一般社団法人 全国銀行協会が作成した口座凍結の手続きマニュアルでは、警察や消費生活センターなどの公的機関や弁護士、または被害者からの通報や申し出がある場合を除き、本人に電話連絡をするなどの条件をつけています。
ところが今回、大袈裟さんに対してゆうちょ銀行から、事前の確認はありませんでした。
生活口座を何の前触れもなくいきなり凍結することは、死活問題になる可能性もあるわけで、慎重な判断が求められるはずです。
理由4 まちがいを認めながら理由の説明も謝罪もない
ゆうちょ銀行は、大袈裟さんの口座凍結を8日後に、本人の申し立てによって解除しました。これは「大袈裟さんの口座は詐欺口座ではなかった」と、まちがいを認めたものと考えられます。
まちがいを認めたなら、まちがいを犯した理由を納得いくように説明し、謝罪するのが社会的な礼儀ではないでしょうか。
ところがゆうちょ銀行からは、いまだに何の説明も謝罪もありません。
以上のようにゆうちょ銀行は、詐欺口座であるはずがない生活口座を、狙い撃ちしたかのように、確認もなしにいきなり凍結し、しかもまちがいに気づいてもきちんとした対応をとっていません。
誰がどう考えてもおかしいことだと思いますし、またさらに、これは大袈裟さん一人の問題にはとどまりません。
ゆうちょ銀行がこのように恣意的に、簡単に口座凍結できるなら、これは誰が次に口座を凍結されても全くおかしくないことになります。
弁護士 宇都宮健児 氏の事務所を訪問
さてこの大袈裟さんの口座凍結問題にきちんとした対処をするため、弁護士 宇都宮健児さんの事務所を訪ねました。事務所を訪ねた際のことは、大袈裟さん本人が詳しく書いていますので、そちらもぜひ読んでほしいです。
宇都宮さんは日本弁護士連合会の会長を務め、また都知事選にも立候補しましたので、知名度はとても高いです。さらに宇都宮さんは、全国ヤミ金融対策会議の代表幹事も務めておられますので、今回のケースについて相談するには、まさに打ってつけの人といえます。
そのような人が大袈裟さんの相談に乗ってくださることになったのは、ツテもありましたが、それだけではないと思います。
のりこえねっと共同代表・オウム真理教犯罪被害者支援機構理事長・反貧困ネットワーク代表・年越し派遣村名誉村長などを務め、常に弱者の味方になって闘ってこられた方だからではないでしょうか。
宇都宮さん、すぐに電話で担当者とお話しくださる
宇都宮さんは話を聞き、不思議そうな顔をされました。
「そんなケースは、聞いたことがありませんね……」
そこでその場から電話をし、どういうことで凍結されたのか、担当者から話を聞いてみることにしました。
「弁護士が電話してきたら、もしかしたら事情を話すかもしれません」
そこで大袈裟さんが、担当窓口に電話しました。窓口は、ゆうちょ銀行株式会社 東京預金事務センター 金融犯罪対策課 第二口座管理担当。担当者の折り返しを待つこととなり、宇都宮さんの事務所の電話番号を伝えました。
折り返し先は宇都宮さんの事務所の名前を伝えましたので、その時点で先方は、大袈裟さんが宇都宮さんに相談していることがわかったと思います。
折り返しがあったのは10分後。大袈裟さんが「詐欺口座と認定した理由を説明してほしい」と話しても、「答えられない」との一点張りです。
そこで大袈裟さんは「弁護士にかわります」と、宇都宮さんに電話をかわりました。大袈裟さんのブログにもある通り、そう言った瞬間に、担当者はしどろもどろになり、動転している様子が伝わってきたそうです。
宇都宮さんに対しても理由の説明はなし
宇都宮さんは大袈裟さんが相談にきた経緯をていねいに説明し、
「ぶっちゃけ、どういうことでそうなったんですか?凍結された口座の名義人は沖縄で反基地運動をしていますので、市民運動の人たちが、運動をしていたために狙い撃ちされたのではないかと心配しています」
と、詐欺口座と認定した理由の説明を求めました。
でも担当者は、宇都宮さんにも、やはり理由は言わなかったとのことです。
ただし「市民運動の狙い撃ちではありません」とは話していたそう。宇都宮さんも、
「公安などが、運動の現場でマークしている人の銀行口座を止めるよう、銀行に通告することは、警察の組織機構上、考えにくいです。銀行に口座凍結をするよう通告するのは生活安全課で、公安・警備とは横のつながりがありませんから」
と説明してくださいました。
宇都宮さんは担当者に、
「善良な市民が、口座凍結をされて生活が脅かされるようなことがないよう、口座凍結にはぜひとも慎重な判断をお願いします」
と強く要請。それをもって、担当者との電話は終了しました。
今後もご協力くださることを約束!
以上のように、今回宇都宮さんに電話していただいても、ゆうちょ銀行の担当者は、大袈裟さんの口座を詐欺口座として認定した理由は言いませんでした。
宇都宮さんが付いてくれたことで、ゆうちょ銀行の担当者を動転させ、また宇都宮さんが今後の慎重な判断について念押ししてくださいましたので、同じことがくり返すことに対して一定の抑止効果はあったかと思います。
でも担当者が理由をまったく説明しようとしない以上、まだ満足できる結果とはいえません。
そこで今後も、この大袈裟太郎の口座凍結問題について、宇都宮さんに相談しながら、引きつづき対処を続けていきたいと思います。
ただし今回、宇都宮さんに相談し、担当者と電話でお話しいただいたことで、いくつかのことは明らかになりました。
- 公安が現場でマークしている人の口座凍結を、銀行に通告することは考えにくい
- 市民運動を狙い撃ちしたものではない
- ゆうちょ銀行は入出金の回数だけではなく、その他のことも考え合わせて独自判断をした(宇都宮さんとの電話で担当者が答えた)
この最後の「その他のこと」とは何でしょう?ネトウヨが、大袈裟さんの口座を凍結させるべく、ゆうちょ銀行に通報していたという情報は、こちらも入手しています。
そのあたりのことも、今後は対策を検討していきたいと思います。
会計報告
最後にこれまでのところの会計報告をいたします。これまで4人の方がカンパを入金してくださり、その全額を、今回の大袈裟さんの沖縄~東京往復の交通費に充てました。
収入
7月11日 | 支援入金 | 20,000円 |
7月11日 | 支援入金 | 5,000円 |
7月11日 | 支援入金 | 10,000円 |
7月13日 | 支援入金 | 10,000円 |
支出
7月19日 | 大袈裟さん交通費 | 45,000円 |
口座残金
0円
今回の宇都宮さんへの弁護士料について、「おいくらにしたらいいでしょう?」とお伺いしましたら、宇都宮さんは初め、
「いいよ~、いらないよ~」
と、まるで神様のようなご返答をなさいました。
でもそれではあまりにも悪いので、これでもずいぶん安いと思いますが、50,000円でお引き受けしていただくよう、お願いをいたしました。
今回、この弁護士料は、いただいた支援金の中からは、まだお支払いできていません。
そこでこの宇都宮さんへの弁護士料、および今後の対策資金とするため、引きつづき支援金を募集いたします。
ムリのない範囲で結構です。積極的なご支援のほど、何卒お願いいたします。
大袈裟太郎の口座凍結 支援金振込先
ゆうちょ銀行から振り込む場合
記号 17010
番号 18471831
ゆうちょ銀行以外の銀行から振り込む場合
店名 七〇八(ナナゼロハチ)
店番 708
預金種目 普通口座
口座番号 1847183
口座名義 大袈裟太郎 口座凍結 対策支援の会(オオゲサタロウ コウザトウケツ タイサクシエンノカイ)