ちまたでは、沖縄での米軍基地 反対運動をおこなう「反対派」について、
- 年寄りばかりで若い人はいない
- 沖縄でもごく一部の人たちであり、住民の多勢は賛成している
- 暴力行為を平気でおこなう
などと言われることがあります。
それが真実なのかどうか、反対派の実態を探るため、5月27日に辺野古基地ゲート前でおこなわれた「県民集会」に参加しました。
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県民集会に「反対派」はみな集まる
集会がはじまる1時間ほどまえに到着すると、おびただしい数の大型バスが次から次へと停まり、そこから参加者が続々と降りてくるのが見えました。
県民集会は、反対運動をするさまざまな団体に、事前に連絡が行きわたります。また『琉球新報』『沖縄タイムス』の沖縄2紙も告知を掲載、団体に所属しなくても基地に反対の人は来ます。
当日の参加者は、主催者発表で2,000人。
辺野古基地ゲート前は、人でごった返していました。
また日本人だけでなく、アメリカ人……、
韓国人……、
の参加者もいました。
なので県民集会は、「反対派」のめぼしい人はすべて集まり、これを見れば、反対派がどういう人たちなのかが分かるといえると思います。
「反対派」は年寄りばかり?
会場をひと通り歩いてみると、集会に集まった人たちは、たしかに「団塊の世代」くらい人たちが多いです。かつての学生運動を牽引した人たちが、いまも主力で頑張っているとはいえそうです。
ただしそれ以外の世代の人たちもたくさん見かけたのは事実。40代・30代はもちろんのこと、20代とおぼしき人も何人も見かけました。
それを象徴するのが、集会でのスピーチのトップバッター。
琉球大学の大学院生である玉城 愛さんは、たぶん20代だと思いますが、基地反対運動の中心的な団体の一つである「オール沖縄会議」の共同代表を務めています。「絶対に辺野古に新基地は造らせません」と、強い言葉で話していました。
なので「反対派は年寄りばかり」というのは、ひどく誇張された言い方だといえると思います。
「反対派」は沖縄住民のごく一部?
「米軍基地に反対するのは沖縄のごく一部の人で、住民の多勢は賛成なのに、県外から来た人などが派手に反対している」といわれることがあります。それが真実なのかどうかを確かめるのに、集会に集まった2,000人の人たちに、「沖縄の住民なのかどうか」を一人ひとり尋ねるわけにはいきません。
でも今回、「基地に反対しているのは沖縄の一部の人ではない」といえる証拠を見つけました。それは集会に来ていた国会議員です。
国会議員は、照屋 寛徳 氏、赤嶺 政賢 氏、玉城デニー氏、仲里 利信 氏の4人が来ていました。
照屋 寛徳 氏は衆議院沖縄2区、赤嶺 政賢 氏は沖縄1区、玉城デニー氏は沖縄3区、仲里 利信 氏は沖縄4区の選出で、沖縄の選挙区選出の衆議院議員は、これで全員です。
また選挙区選出の参議院議員についても、糸数 慶子 氏はおなじ日に京都でおこなわれた集会に、伊波 洋一 氏は静岡でおこなわれた集会にと、2名全員が反対集会に参加しているとのことで、つまり沖縄では、選挙区で選出された国会議員は全員が基地に反対していることになります。
さらに集会への参加はありませんでしたが、沖縄の県知事は、翁長 雄志 氏。翁長氏も、「新基地建設反対」を公約に掲げて当選しました。
県民の世論調査では74%が「基地に反対」
じっさい5月9日に発表された琉球新報による沖縄県民 世論調査では、辺野古の新基地について74%の人が反対とされています。

琉球新報より
これをみると、「基地反対」は沖縄の一部ではなく、大多数の意見であり、沖縄県民はそれを選挙という闘いできちんと表明していると、明らかにいえると思います。
「反対派」は暴力行為をおこなう?
「反対派が暴力行為をおこなう」とも、時々いわれることがあります。集会の当日には機動隊が配備されていましたので、「これは集会の混乱を避けるためなのか」と、一瞬頭をよぎりました。
しかし集会では、機動隊隊員の姿はみられませんでした。主催者による交通整理がおこなわれるのみで、暴力行為などの混乱はもちろんなかったですし、警察も集会によって暴力行為などの混乱が起きるとはみなしていなかったことがわかります。
それではなぜ機動隊が来ていたのか……。それは集会が終わってから分かりました。
右翼団体が集会を妨害するために来ていたからです。
来ていた右翼団体は、「大日本忠仁社」。大音量の拡声器で集会参加者を口汚くののしるため、機動隊が規制をして集会のエリアに入れないようにしていました。
右翼団体は集会の参加者に対し、「おまえらの集会は年寄りばっかで老人ホームかよ」などと暴言を吐いていました。さらには韓国人の参加者を見つけ、「チョ●コ」などと差別発言もしていました。
これらは言葉の暴力そのもので、暴力行為をおこなうのは基地反対派より、むしろそれに反対する人たちであることが浮き彫りになりました。
まとめ
以上の通り、県民大会に参加してみて、「米軍基地 反対派」が、
- 年寄りばかりで若い人はいない
- 沖縄でもごく一部の人たちであり、住民の多勢は賛成している
- 暴力行為を平気でおこなう
というのは、いずれも真実ではないことが分かりました。
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であるからこそ、デマを見抜く目を養っていくよう心がけていきましょう。
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